FIFTHWORLD
SUMMER JOURNEY 2010

STORY

『LOST CRESTS』第四楽章(後編)
〜未知なる過去 #1〜

はじめのうちは、黒いドレスの少女の話す言葉がどうしても信じられなかったが、確かに彼女たちは紋章が光り輝くのを見たことはなかった。

それは今彼女たちの「ピピの紋章」と「エングゥの紋章」がすぐそばにあるからなのだろうか。それでは、これまで彼女たちの世界の祭壇で祈りを捧げてきたあの紋章は一体・・・?もしかして本当にニセモノの紋章・・・?

全く黒いドレスの少女の話に取り合うつもりもなかった彼女たちであったが、今ではその少女の言葉に耳を傾けるしかできなくなってきていた。

『おねえちゃんたちのさっきの目、本当に冷たくて、疑い深くて、知らないことに目を向けるキモチがない目だった・・・。さっき来たあっちの世界の人も同じだった・・・。

おねえちゃんたちが持っていた本物のピピの紋章とは別のこの本物のエングゥの紋章は、ここの先にある「創造の紋章の世界」で大切にされてきたものなの。だから、あっちにはニセモノのピピの紋章があったのよ。この2つの紋章は2つ一緒にないといけないんだよ・・・。

おねえちゃんたちだって今の目を見たら、あたしがまだウソついてるんだと思っているの、分かるよ・・・。あたしの言ってることがウソだと思ってるんだったら、もういいよ・・・。このピピの紋章返してあげるよ!!』

そういうと少女は再び泣き出してしまった。

それを見ているしかなかった巫女たちの一人ミーニャが、静かに少女に語りかけた。

「ねぇ、おねえちゃんたちと一緒にあっちの世界の人たちに会いに行かない?
大丈夫。その紋章はあなたが二つとも持っていていいから。」

ミーニャの突然の言葉に少女はびっくりしたように、彼女たちを大きな目で見つめた。彼女たちも少女に語りかけた女性に目を疑ったが、でも、その言葉が何を意味しているかはなんとなく分かるような気がしていた。

「さ、おねえちゃんたちと一緒にいこ?」

少女の手をひきながら、巫女たちはもう一つの世界へと歩きはじめた。

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